
Claude CodeのようなAIエージェントは便利な一方で、セッションをまたぐと前回の会話経緯がそのまま共有されないことがあります。前回決めたこと・すでに直したことを毎回また説明し直すのは、地味ながら大きな負担です。この記事では、その負担を減らすために組み合わせて使っている「auto memory」と「Obsidian Vault(第二の脳)」という2つの記憶の仕組みと、なぜ1つにまとめず2つ使っているのかを紹介します。
セッションをまたぐと、会話の経緯が途切れることがある
Claude Codeに日々のSNS投稿やKindle出版まわりの作業を任せていますが、セッションが終わるたびに、前回の会話経緯がそのまま共有されるとは限りません。同じ説明を何度も繰り返すうち、「これはさすがに仕組みで残しておきたい」と考えるようになりました。

使っているのは「自動で溜まる記憶」と「自分で育てる記憶」の2つ
auto memory:会話の中で自動的に書き溜まるメモ
会話の中で得た気づきや、こちらから出した修正指示・フィードバックを、Claude Code自身が短いメモとして自動的に書き溜めてくれる仕組みです。ユーザーの好み・過去の修正指示・進行中のプロジェクト状況などを、種類ごとにファイルへ整理して残してくれます。
Obsidian Vault:自分で育ててきた「第二の脳」
もう1つは、Obsidian(ノートアプリ)の上に、実際の作業を通じて育ててきたナレッジベースです。全体ルールを書いた「憲法」にあたるファイル、判断基準をまとめた引き継ぎ書、過去の修正指示のログ、テーマごとに構造化した知識ベースなど、複数の役割を持ったファイル群で構成しています。こちらは特定のプロジェクト専用ではなく、複数のプロジェクトをまたいで共通して読み込ませています。
なぜ1つにまとめず、2つ使っているのか
最初は「記憶の仕組みは1つで十分ではないか」とも思いました。ただ実際に運用してみると、それぞれ役割が違うと気づきました。
- auto memoryは、今取り組んでいる作業に関する具体的な気づきを、素早く・自動的に拾ってくれる即応性が強み
- Obsidian Vaultは、複数のプロジェクトをまたいで一貫したルールや判断基準を、時間をかけて体系的に積み上げていく場所としての強み
日々の作業で素早く拾える記憶と、じっくり時間をかけて育てる記憶。両方を役割分担して使うことで、同じ説明を繰り返す回数を減らせるようになってきたというのが、今のところの実感です。

今週深掘りする内容
今週は、この記憶の仕組みを運用する中で実際にぶつかった具体的な出来事を1つずつ紹介していきます。
- 指示書(ルールブック)が膨れ上がってしまい、圧縮した話
- せっかく作った「定期的に棚卸しする」ルールを、実は一度も実行していなかったと発覚した話
- その反省をもとに、棚卸し自体を仕組み化した話
うまくいった話だけでなく、作りっぱなしにして失敗しかけた話も含めて紹介する予定です。
よくある質問(FAQ)
Q. auto memoryとObsidian Vault、どちらか1つだけではダメですか?
A. どちらか1つでも運用は可能だと思いますが、即応性(auto memory)と体系的な蓄積(Obsidian Vault)という役割の違いがあるため、両方使うことで補い合っていると感じています。
Q. Obsidian Vaultを作るのは大変ではないですか?
A. 一度に全部作り込んだわけではなく、日々の作業の中で少しずつ育ててきたものです。今週の後半では、育てすぎて膨れ上がってしまった失敗談も紹介します。
Q. プログラミングの知識がないと真似できませんか?
A. 個々の設定には技術的な要素も含まれますが、この記事シリーズで伝えたいのは「記憶をどう役割分担するか」という考え方の部分です。技術詳細より考え方を参考にしてもらえたらと思います。
まとめ
Claude Codeでは、前回の会話経緯が次のセッションへそのまま共有されるとは限りません。今回紹介したように、自動で溜まる記憶(auto memory)と、自分で育てる記憶(Obsidian Vault)を役割分担して使うことで、同じ説明を繰り返す回数を減らせる運用を作ってきました。今週は、この仕組みを育てる過程で実際に起きた具体的な出来事を、火曜日から金曜日にかけて紹介していきます。

