
Kindle本を作ろうとするとき、最初につまずくのが「企画」の段階です。テーマは何となく浮かんでも、誰に向けて何を書くかがなかなか固まらない。この記事では、そんな企画段階でAIとどう対話しながら絞り込んでいるか、具体的な手順を紹介します。
企画は「ひらめき」ではなく「絞り込み」の作業
Kindle本の企画がきれいに降ってきたことは、これまで一度もありません。
いつも最初は「AIについて何か書きたい」くらいの粗さです。誰に向けて、何を、どんな切り口で書くかは、この段階ではまだ何も決まっていません。
以前は、この粗い状態のまま章立てを考えようとして、途中で止まることがよくありました。テーマが漠然としたまま構成を練ろうとすると、どこかで手が止まってしまうのです。
今のやり方は、この粗いアイデアをそのままAIに渡し、「すぐに構成案を出さず、企画を絞るための質問を1問ずつしてください」と指示するところから始めます。

AIに投げると、答えではなく問いが返ってくる
面白いのは、AIがすぐに構成案を出してくるわけではないことです。むしろ先に聞かれます。
誰に読んでほしいか
漠然と「AIに興味がある人」ではなく、初心者なのか経験者なのか、会社員なのかフリーランスなのか、具体的に絞り込んでいきます。
その人は今、何に困っているか
ターゲットが決まると、その人が実際にどんな場面でつまずいているかを言語化する作業になります。ここが曖昧だと、後の章立てもぼやけたものになりがちです。
似たテーマの本と、何が違うのか
既に世の中にある本との違いを言葉にする過程で、自分が本当に書きたかった切り口が見えてくることが多いです。
こうした問いに答えていく作業そのものが、実質的な企画になっています。AIの役割は「答えを出す」ことより「こちらの考えを引き出す」ことに近いと感じています。
実際にあった例:思いつきから特徴が生まれるまで
以前、Kindle出版についての本を作ったときも、最初は「AIエージェントについて書きたい」というだけの思いつきでした。
そこから「誰向けか」を詰めていく中で、対象を非エンジニアの初心者に絞り込みました。さらに「その人は何に困っているか」を掘り下げる過程で、「本の中で紹介する制作ツールを、そのまま読者プレゼントとして配布する」という、この本ならではの企画の軸にたどり着きました。
この特徴は、最初の思いつきの段階にはまったく存在していませんでした。粗いアイデアを対話で絞り込んでいく過程で、後から生まれてきたものです。

構成案は一発OKにしない
一通り問いに答え終えると、AIが構成案(目次案)をいくつか出してくれます。
ここで気をつけているのは、最初に出てきた案をそのまま採用しないことです。読んでみて違和感がある部分、順番がしっくりこない部分を素直に伝えて、もう一度出し直してもらいます。この往復を2〜3回繰り返すことが多いです。
一発で完璧な構成が出てくることはほとんどありません。ただ、往復するたびに、自分が本当に書きたかったことが少しずつ明確になっていく感覚があります。
よくある質問(FAQ)
Q. AIに聞かれる質問に、うまく答えられないときはどうしていますか?
A. 無理に完璧な答えを出そうとせず、思いついたことをそのまま返すようにしています。曖昧な答えでも、AIがさらに深掘りする質問を返してくれるので、対話を続けるうちに輪郭がはっきりしてきます。
Q. 構成案の往復は何回くらい必要ですか?
A. 本によって差はありますが、2〜3回程度で落ち着くことが多いです。回数を重ねるより、違和感を具体的に言葉にして伝えることの方が重要だと感じています。
まとめ
Kindle本の企画は、ゼロからひらめくものではなく、AIとの対話で少しずつ絞り込んでいくものだと感じています。誰に読んでほしいか、何に困っているか、他と何が違うか。この3つの問いに答えていくことが、そのまま企画作業になります。構成案も一発OKにせず、違和感を伝えて何度か出し直してもらうことで、最初の思いつきにはなかった切り口にたどり着けることがあります。
次回は「執筆」と「デザイン」の工程を、あわせて紹介する予定です。

